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AIが創り出す物理学の新境地
quantamagazine.org·2026-03-22·SCIENCE

AIが創り出す物理学の新境地

AIが物理学の実験設計を根本から変えようとしています。この記事では、重力波検出器LIGOの感度向上から光学実験の自動設計まで、AIが科学研究にもたらす革新と、その裏にある懸念についてお伝えします。

研究の詳細

2015年に初めて重力波を捉えた検出器LIGO。その感度をさらに高めるため、カリフォルニア工科大学の物理学者ラナ・アドヒカリ氏がAIを活用しました。従来の研究方法を根本から見直すこの試みは、大きな注目を集めています。

一方、ドイツのテュービンゲン大学では、マリオ・クレン氏のチームがPyTheusというソフトウェアを開発しました。このツールは実験を数学的なグラフに変換し、光学実験の設計を最適化します。1993年のエンタングルメント・スワッピングの再設計では、従来とは異なるシンプルな構成を提案しました。この新しいアプローチは、2024年に南京大学のマー・シャオソン氏のチームによって実験的に確認され、期待通りの成果を上げています。

画像 出典:quantamagazine.org

日本の研究現場にもたらす意味

日本にはKEKやSPring-8など世界有数の大型研究施設があり、AI活用による実験設計の効率化は決して他人事ではありません。物理学の最前線で活躍する日本の研究者にとって、AIとの協働は今後避けて通れないテーマとなるでしょう。

編集部の視点

AIによる設計は人間の思考を超える可能性を示す一方で、研究者の創造力が損なわれる危険性も指摘されています。人間の直感とAIの最適化能力をどう共存させるか。この問いは、科学の未来そのものを左右する重要な論点です。